お菓子づくりを科学的に解説

お菓子作りを始める方たちへ今さら聞けないお菓子の基礎知識を科学的に解説!

パン作りを科学的に解説!絶対に失敗しないパン作りの基礎~グルテン膜と気泡~

パン作りの工程でもちもちのパン生地を潰してガス抜きをしますよね、今回はそのガス抜きによって起こるパンの科学を解説したいと思います。

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なぜ発酵した生地を一度潰して「ガス抜き」をするの?

パンを作るとき生地を潰して中にたまった炭酸ガス(CO₂)を抜く作業があります。この工程を「パンチ(ガス抜き)」といいます。ではこのとき生地の中ではどのようなことが起きているのでしょうか?

発酵前

まず、生地の中には小麦と水が練り合わせたことで、グルテンが形成されその中にデンプン粒と少しのパン酵母、空気が含まれている状態になります。ほかにも塩や油脂などが混ざっている場合もありますが、今回は考えません。

発酵初期

そして発酵が徐々に進んでいくと、パン酵母がガス(CO₂)を発生しグルテンが引き伸ばされ生地が膨らみ始めます。しかしこの気泡は酵母の数だけ存在しているわけではなく、もともと生地に含まれていた気泡を中心に合体するとされているのでそこまで大きな生地には膨らみません。

発酵中期・仕上げ

そこから発酵が進んでいくと生地はどんどん大きく膨らんでいき、気泡を包んでいたグルテンが引き伸ばされグルテン膜ができます。ちょうどゴム風船のような状態になります。しかしこの状態でガス抜きを十分にせずにオーブンに入れて焼いてしまうと、すだち(気泡)の大きさや場所がバラバラなので焼き上げたときに焼きムラや形がでこぼこしたパンになってしまいます。

そこでガス抜きを行い、麺棒などで押し広げることで生地全体に気泡が分散されてキメが整います。またガスが抜けて新鮮な空気が生地に入り込むことでまたさらに発酵が進みよりキメの細かい生地に仕上げることができます。キメが細かいパンは食感がしっかりしており、スカスカにならずにおいしいパンを作ることができます。

結論

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ガス抜きはパンをかじったときの食感を左右させる大切な工程です。また発酵することでパン生地らしい柔らかさとふわふわな食感を触れて確かめることができます。一つ一つの工程の意味を理解しながらおいしいパンを楽しく作っていきましょう。